自己破産

保証人に迷惑をかけない方法 ― 任意整理

当事務所にご相談にいらっしゃる個人事業主の方から「保証人がついている業者を除いて自己破産ができるか」というご質問をよく頂きます。残念ながら、自己破産は全ての借金を申立ての際に申告しないといけないので、保証人がついている業者のみを除外することができないのです。

しかし、「任意整理」という手続きは、借金の整理をしたい業者を選ぶことができますので、保証人がついている業者を除外することによって、保証人に影響が及ばない形で借金を整理することができます。

なお、任意整理とは、弁護士が直接業者と話し合って借金の返済方法を決めるもので、今後の返済については、利息をカットできます。

ただ、借金の額が約36回払いで返済できる程の金額でないと、任意整理をすることはできませんので、借金の額が大きすぎますと、着手できない可能性があります。そのため、借金の額があまり大きくなりすぎないうちに、早めのご相談をおすすめします。

また、任意整理は、毎月一定の金額を支払っていかなければなりませんが、任意整理の場合ですと、事業をたたむ必要性は少ないと考えられます。ですから、事業を継続して借金の返済に充てるか、新たな職に就いて借金を返済していくかをご自分でお決めいただくことになります。

「同時廃止事件」と「管財事件」

財産の有無で手続きの流れが変わる
繰り返しになりますが、「自己破産」は債務者のめぼしい財産を債権者に公平に分配し、残りは法的に免除してもらおう、という手続きです。

そのため、債務者に不動産・車などの「めぼしい財産がある場合」と、「めぼしい財産がない場合」とで破産手続開始決定後の手続の流れは2つに分かれます。

「めぼしい財産がない場合」・・・同時廃止事件
「めぼしい財産がある場合」・・・管財事件

同時廃止事件
債務者にめぼしい財産がない場合、処分・分配する財産がありませんので破産手続を進める意味がなく、破産手続開始決定と同時に破産手続が終了します。

これを「同時廃止(同時破産廃止決定)」と言います。

現実に自己破産を申し立てる人は財産がない場合が多いため、約9割がこの同時廃止事件となっています。

申立費用も安価、手続も比較的簡単なため弁護士に頼まず本人だけで自己破産の手続きを行うことが出来ます。

期間も短く終わるため、語弊を恐れずに言うのであれば「自己破産が簡単な手続」と言えます。

管財事件
債務者に不動産・自動車などのめぼしい財産がある場合、「管財事件」と呼ばれる、場合によっては1年以上かかる手続きを行うことになります。

「破産手続開始決定」までは上記の「同時廃止事件」と一緒なのですが、その後の手続が大きく異なります。

破産手続開始決定と同時に裁判所より破産管財人が選任され、破産者の財産を換価処分して債権者に分配します。

その後破産管財人が債権者集会で財産の処分を報告し、裁判所が破産終結の宣告を行ってようやく破産手続が終了し、免責手続へと進むことになります。

同時廃止事件に比べプロセスが多いため期間が長くなり、さらに費用(予納金)もかなり高額(50万円!)になります。

「管財事件」になると全て個人で手続を行うにはハードルが高いですし、弁護士に頼んだ方が予納額が安くなる場合があるため、「管財事件」である場合は弁護士・司法書士に頼んだ方が良いでしょう

違法な取り立てに対する対抗策

違法な取り立てに対する対抗策

まず、自己破産 を申し立てるまでの間は債務者本人に対しての電話による取り立てと、債務者本人の自宅への訪問による取り立ては違法ではないということです。
とくに、自己破産の手続きに入ってから申し立てまでに時間がかかった場合には債権者は無理な取り立てをしてくる可能性が高くなります。
債権者側としては借金の返済もされないで、なおかつ自己破産などの法的な手続きもされないといった状態だと会社内部での処理を行うことができないからです。
また、債権者の中には専門家に依頼していないとわかると、かなり厳しい取り立て行為をしてくる業者もあります。
司法書士または弁護士に依頼した場合には、各債権者は依頼人に対して直接取り立てをすることができなくなります。
依頼を受けた司法書士または弁護士は事件を受任した旨の通知を各債権者に送ることになり、各債権者がその通知を受け取った時点から依頼人は債権者からの厳しい取り立てから解放されることになります。
なお、業者が会社や実家へ訪問しての取り立ては貸金業法規制法のガイドラインで禁止されています。
貸金業の登録している業者であれば会社や実家へ訪問しての取り立てが貸金業法規制法に違反しているのを知っているので、その旨を伝えれば、そういった取り立てを続けることはないでしょう。
自己破産の申し立て後は、本人に対する取り立てを含め、すべての取り立ては禁止されていますので、債権者からの取り立て行為はまったくなくなることになります。
しかし、中にはそれを知っていて連絡してくる業者もないとはいえません。
貸金業の登録している業者であれば、自己破産 の申し立て後の取り立てが貸金業法規制法のガイドラインに違反しているのを知っているので、その旨を伝えれば、そういった取り立てを続けることはないでしょう。
ただ、闇金融と呼ばれる未登録の業者に関してはこの限りではなく、違法な取り立てなどによる被害があとを絶たないのが現状です。闇金融が債権者の中にいる場合は必ず弁護士または司法書士などの専門家に依頼するようにした方がいいでしょう 。

自己破産のメリット

自己破産は本人の経済的な新しい出発を図る積極的な制度です。
 自己破産して免責を受けると借金を返さなくてよくなりますので、経済的に非常に楽になります。どれだけ借金があってもかまいません。200万円の借金も1億円の借金も自己破産すればなくなります。
 また、自己破産すると取立てから解放されます。弁護士に依頼して自己破産する場合には、弁護士介入通知により依頼後まもなく取立てが止まります。
 自己破産の申立てをしても破産宣告後の給料は原則としてすべて自分で自由に使えます。海外旅行もできます。自己破産したことは戸籍謄本や住民票には載りません。通常は近所の人や勤め先に知られません。自己破産したからといって会社は本人を解雇できません。子供の就職や結婚の障害にはなりません。選挙権もなくなりません。
 このように自己破産しても実際には困ることはほとんどありません。ですから、借金の返済ができなくなった場合には積極的に自己破産を検討してください。

自己破産の誤解


「自己破産をすると財産をすべて失ってしまう」と思われる方が多いようですが、自己破産をした場合に手放さなければならない財産は、不動産や株式などといった価値の大きい財産だけです。
日常生活に必要なテレビや、冷蔵庫といった家財道具などは、本人が引き続き自由に使うことが可能です。また、本人が自己破産をしても妻(夫)や子供、親兄弟が本人に代わって借金を支払う義務はありません。
自己破産をしたことは戸籍や住民票に載ることはありません。
ですから、子供が進学したり、就職したりするときに自己破産をしたことが不利に働くことはありません。
このように自己破産をしても家族に迷惑はかからないのです。
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